溺愛120%の恋♡~クールな生徒会長は私だけにとびきり甘い~(野いちごジュニア文庫版)

 不思議そうな様子の先輩は、目を開いてじっと私のほうを見てくる。






「えっと……」




「……待って、とりあえず帰ろ。ここ人が多すぎ」






 え? 先輩の言葉に視線をまわりに向ける。





 ……っ!! いつの間にギャラリーが……っ。








「ねぇ、あれって……」





「瀬名先輩と小森莉子が付き合い始めたって……本当だったの!?」





「俺たちの莉子ちゃんがぁ!」








 気づけば、私と先輩を取り囲むように、人だかりができていた。なんだか恥ずかしくて、スッと視線を下へと向ける。





あまり人から注目されるのは得意じゃないから、今すぐここから逃げ出したい気分になる。俯いていると、突然ぎゅっと手を握られた。






 ……え?