溺愛120%の恋♡~クールな生徒会長は私だけにとびきり甘い~(野いちごジュニア文庫版)

 不思議に思って、私は教室の扉から廊下を見た。そして、ある一人の姿が視界に飛び込んできて目を大きく見開いた。






「……え?」






 瀬名、先輩?





「ちょっと莉子、あれ瀬名先輩じゃないの!?」




「え……あ、う、うん、そうだね」




「そうだねじゃないよ!……って、こっち見た!!」







 壁にもたれかかりながらスマホを見ていた先輩の視線が、スッとこちらに向く。すると先輩はスマホをしまって、私たちのほうに歩み寄ってきた。






「終わった?」






 私の目の前に来た先輩にそう聞かれ、ハッと我に返る。






「え、えっと……」