そう思って湊先輩の動きを見たけれど、先輩は女の人たちに気づいて、面倒くさそうに顔をしかめた。返事はせず、黙ったまま。
「ちょっと無視ってひどくない?」
「おーい、聞こえてますか?」
再度女の人たちが声をかけるも、先輩は返事をしなかった。そのことに、ホッとしてしまう。よかった……。きれいな人たちだから、湊先輩がついてっちゃったらどうしようかと思った。
って、別に先輩を信じていないわけじゃなくて……。好きだからこそ、不安になっちゃうというか……。とにかく、安心したんだ。
早く行こうと思い、ようやくその場から動いた私。急いで、湊先輩の元へ駆け寄った。私が声をかけるより先に、気配に気づいたのか、湊先輩がこちらを向く。
「……莉子!」

