近いということは、大路くんのことを知っているだろう社員と会う確率が高くなるがいいのかと一応訊いたところ、だから早く来てくれとの返答があった。

通話を終えたところで、待たせていた三永ちゃんの方を向く。


「すぐそこのコンビニになるべく急いで集合だって。大路くんは、間もなく着くみたい」

「了解しました。じゃあ急ぎましょう」


駆け出そうとした三永ちゃんを、走ると目立つからと言って止め、二人して早歩きくらいの速度で進む。
これくらいなら、食堂を目指す他の社員達とさほどスピードは変わらないので、悪目立ちすることもない。

コンビニに着いた時、先に着いていた大路くんは雑誌コーナーにいて、何やら真剣な様子で“ライバルに差を付けろ!”と見出しの付いたページを読んでいた。
声をかけたら、大げさなほど肩を跳ね上げて驚いて、雑誌を勢いよく閉じた。