「だから蜜葉さんに出会って、結斗が幸せそうにしていて本当に嬉しいの。アネッロでの話も結斗に聞いたのよ。私もあそこに連れて行ってもらったことがあるのだけれど、本当にオムナポリは絶品よね」

「アネッロに行かれたことがあるんですね! 私もオムナポリ大好きです」

「今度、一緒に行けたらいいわね」

「そうですね。ぜひ」

アネッロの話題で盛り上がれば、自然と笑みが溢れる。

「あれだこれだと話してしまったけれど、結斗が知ったらおしゃべりだと怒られてしまうかもしれないわね。話したことは内緒にしておいてね」

クスッと笑い、手を合わせるお母さんに向かって、コクンとうなずいた。

それからしばらくして、結斗さんが戻ってきた。すっかり打ち解けた私たちを見て驚きつつも、どこか嬉しそうな結斗さんの姿が、そこにはあった。