懐妊一夜~赤ちゃんを宿したら極上御曹司の盲愛が止まりません~

心音が一気に高鳴りを見せた。私の瞳に映るのは先ほどこの個室に案内してくれた支配人の姿と、その後方に立つ長身でスタイルが良い凛とした綺麗な女性。

「久しぶりね、結斗。待たせてごめんなさい」

柔らかな笑みを浮かべながら穏やかな口調でそう言って目の前の席へと足を進めてくる。

「久しぶりだね、母さん」

結斗さんがニコリと微笑み、優しいまなざしを送る。

とうとう訪れた結斗さんのお母さんとの顔合わせ。席に着いた結斗さんのお母さんと視線が絡まった。

「母さん、さっそくだけど彼女を紹介するよ。今お付き合いさせてもらっている芹澤蜜葉さんだ」

「は、初めまして。芹澤蜜葉と申します」

反射的に席を立ち上がり、ペコリと頭を下げた。

「こちらこそ初めまして。結斗の母の紗代(さよ)です。今日はお時間を作ってもらってありがとうございます」

「いえいえ。こちらこそありがとうございます」

「蜜葉さんとお会いできて嬉しいわ。そんなに緊張なさらずに気楽にいきましょう」

優しく笑って私を気遣ってくれた結斗さんのお母さん。笑った目元が結斗さんにそっくりだと思った。そんなことを思っていると、

「アペリティフに何かいかがですか?」

ギャルソンが結斗さんに声を掛けてきて私の意識はそちらへと動いた。

「ではシャンパンをふたつとシャテルドンを頼む」

「かしこまりました」

それからすぐにアペリティフが運ばれてきて、三人でグラスを合わせて乾杯をした。