車で向かったのは結斗さんのマンションだった。シャワーを借りて身支度を終えると、緊張感を覚えながら結斗さんが待つリビングへと向かう。

そこにはびしょ濡れのスーツを脱いで部屋着に着替えた結斗さんがいた。そして隣に座るように私を促す。

「膝、痛まないか?」

「はい。大丈夫です」

結斗さんが心配そうに私の顔を覗く。ソファーに腰を下ろすと、さっき擦りむいた膝を消毒して絆創膏を貼ってくれた。

「……ありがとうございます」

「いや。怪我までさせて本当に申し訳ないと思っている」

「これは私の不注意で起きたことですから。結斗さんが謝る必要はないです」

結斗さんが切なげな笑みを浮かべる。

「結斗さんの話を聞こうともしないで、一方的にあんな言い方をして本当にごめんなさい」

謝らなければいけないのは私の方だ、そう思いそんな言葉をつぶやいた。