懐妊一夜~赤ちゃんを宿したら極上御曹司の盲愛が止まりません~

それからどのくらい時間が流れただろうか。ため息が儚く宙に消えていく中、行く宛もなく街を彷徨っていた。

冷静に結斗さんと話をするつもりでいたのに、沸き上がってきた感情を抑えることができなかった。きっと結斗さんに面倒くさい女だと思われたんだろうな。

聞き分けのいいスマートな女でいたかった。だけど、それができないくらいに、私の中で結斗さんへの信頼は大きくなっていたことを思い知らされた。願わくば、婚約者のこともただの噂話だって否定して欲しかったのに、結斗さんは否定しなかった。

考えて見れば当たり前か。結斗さんみたいな御曹司が私みたいな女に本気になるはずがないよね。シンデレラの魔法が解けたみたいに一気に現実世界に引き戻された気分だ。涙が伝うと同時に頭上から雨が降り出した。皮肉にもそれは私の心の内を表しているようで虚しさが募る。

冷たい雨に打たれながら人通りの多い駅前を歩く。次第に雨足が強くなっていき、屋根のあるアーケード街へと身を寄せようと小走りに走り出したその矢先、