懐妊一夜~赤ちゃんを宿したら極上御曹司の盲愛が止まりません~

「蜜葉、君と話がしたいんだ。今から少し時間をくれないか?」

「え?」

反射的に顔を上げれば、結斗さんと視線が絡み合った。発する言葉の穏やかなトーンとは異なって、どことなく不機嫌そうに見える。結斗さんの顔を見ていることができなくて、目を逸らした。

だけど、ちゃんと結斗さんと話をしなければ、ずっとこの胸のモヤモヤが消えないのも分かっている。後回しにして逃げても解決はしない。だとしたら……

「……わかりました。ここではあれなので私のアパートでお話しましょう」

震える声でそうつぶやいて結斗さんの方へと足を進めた。

それからすぐに笹原は深々と頭を下げてその場を去っていき、結斗さんとふたりきりのこの空間に重たい沈黙が流れる。

「蜜葉、さっきからどうして俺の目を見ないんだ?」

「……それはその」

先にその沈黙を破ったのは結斗さんだった。だが、結斗さんのそんな問いかけに言葉が詰まる。

「最近、連絡をしても返信がないし明らかに俺のことを避けているだろう? 何故なんだ? 何か俺に隠していることでもあるのか?」

矢継ぎ早に飛ぶそんな質問が飛ぶ。いつも冷静で穏やかな結斗さんとは違う印象を受けた。