懐妊一夜~赤ちゃんを宿したら極上御曹司の盲愛が止まりません~

「今日も仕事おつかれ」

「お疲れ様……」

笹原が私を連れてきたのは昭和感漂うレトロな焼き鳥屋だった。笹原に促されてキンキンに冷えた生ビールで乾杯をしたところだ。

カウンター席は常連さんらしき人たちで埋まっていて、私たちはテーブル席へと案内された。

店内は焼き鳥のいい匂いが立ち込めている。だけど、さっき結斗さんが知らない女性と一緒に車に乗り込んだのを目撃してしまいショックを受けている私は、食欲が沸かない。

「ここの白レバーすげーうまいんだよ。芹澤も冷めないうちに食べろよ」

「うん……」

笹原にそう言われて一口、頰張った。

「どう?」

「美味しい。臭みとかまったくないし柔らかいしこんな美味しいレバー初めて食べた」

「だろ?」

満足げに笑う笹原の顔が私の瞳に映る。美味しいものを食べて少しだけ元気になった気がする。私は、やっぱり単純だ。

「やっと笑ったな。食いしん坊の芹澤にはここの焼き鳥が効果的だったみたいだな」

「食いしん坊って」

「まぁ、いろいろあるだろうけどさ、今日はうまいもん食べて元気だせよ」