目に飛び込んできたのは、信号を挟んで向かいの通りにいるふたりの男女だ。とある高級ホテルから揃って出てきて和かに会話しながら、その女性を車の助手席へとエスコートしたその男の人。
「結斗さん……」
思わずポツリとつぶやいた。見間違いであってほしかった。けれど見慣れた白い高級車の運転席へと乗り込んだ彼を見て、胸がズキンッと痛む。
「あれって副社長だよな? 隣にいるのはもしかして彼女? そういえば社内で副社長が婚約したとか噂になってたけど、その相手だったりして。綺麗な人だな」
私の視線の先に結斗さんがいるのを見つけた笹原がそうつぶやいた。
「そう、だね」
私は平静を装ってそう答える。会社中で噂になっている結斗さんの婚約話。彼女がその相手だとしたら私には勝ち目がない。そう思うくらいにスタイルが良くて、上品で綺麗な女の人だ。
「どうした?」
笹原が黙り込んだままの私の顔を覗く。一生懸命に平静を装っていたはずなのに、いつの間にか心の内が表情に出ていたことを知った。
「何でもないよ」
作り笑顔を浮かべてそう答えるのが精一杯だ。
「そうか? なら行くぞ」
断る間も与えられぬまま、笹原が着いてくるように私を促した。
「結斗さん……」
思わずポツリとつぶやいた。見間違いであってほしかった。けれど見慣れた白い高級車の運転席へと乗り込んだ彼を見て、胸がズキンッと痛む。
「あれって副社長だよな? 隣にいるのはもしかして彼女? そういえば社内で副社長が婚約したとか噂になってたけど、その相手だったりして。綺麗な人だな」
私の視線の先に結斗さんがいるのを見つけた笹原がそうつぶやいた。
「そう、だね」
私は平静を装ってそう答える。会社中で噂になっている結斗さんの婚約話。彼女がその相手だとしたら私には勝ち目がない。そう思うくらいにスタイルが良くて、上品で綺麗な女の人だ。
「どうした?」
笹原が黙り込んだままの私の顔を覗く。一生懸命に平静を装っていたはずなのに、いつの間にか心の内が表情に出ていたことを知った。
「何でもないよ」
作り笑顔を浮かべてそう答えるのが精一杯だ。
「そうか? なら行くぞ」
断る間も与えられぬまま、笹原が着いてくるように私を促した。

