懐妊一夜~赤ちゃんを宿したら極上御曹司の盲愛が止まりません~

予定どおりに仕事をこなすと、時刻は十八時を回っていた。

出版社での打ち合わせ後、タクシーを捕まえようと笹原と共に駅近くのタクシー乗り場へと向かう。

「だいぶ時間押したけど、うまくまとまりそうで良かったよ」

「そうだね。やっぱり笹原の交渉術ってすごいと思った。終始、雰囲気良かったし」

「そうか?」

「うん。口下手で不器用な私とは大違い。仕事できて頭の回転早いし、人付き合いもうまいし。そりゃあエリート街道まっしぐらだね」

「俺、あんまり出世とか興味ないんだよな」

「そうなの?」

「ああ。自分の気持ちに素直にただやりたいことを突き進んで後悔ない人生を歩みたいってのが俺のポリシーなんだよね」

「そっか」

笹原の言葉がなんだか胸に響く。自分の気持ちに素直に、後悔がないように、逃げてばかりの優柔不断な私とは正反対の生き方をしている笹原が眩しく見えた。