懐妊一夜~赤ちゃんを宿したら極上御曹司の盲愛が止まりません~

目に飛び込んできたその人物に胸がトクンと高鳴った。

それと同時に宙で絡まった互いの視線。動揺する私とは対照的に彼は……結斗さんはぴくりとも表情を変えなかった。

結斗さんからの連絡を無視し続けていたここ数日。そんなこともあって気まずさが込み上げてきて思いきり視線を逸らしてしまった。

そんなあからさまに避ける態度を取ってしまったことに後悔の念を抱きながら、タクシーに乗り込んだ。

「芹澤、どうかしたのか?」

「え?」

「いきなり口数が減ったから」

どうやら私の変化を汲み取ったらしい隣に座る笹原が心配そうに私の顔を覗く。

「何でもないよ。大丈夫」

「そうか?ならいいんだけど」

そんな言葉を最後に笹原がその話題に触れることはなかった。とにかく今はプライベートのことをとやかく考えている場合じゃない。仕事に集中しなくては。