懐妊一夜~赤ちゃんを宿したら極上御曹司の盲愛が止まりません~

そしてすぐに約束の日はやってきた。仕事終わり、鞄から携帯を取り出して、震える手で春日井さんの携帯番号を打ち込む。

何コール目かで春日井さんは電話に出た。

「春日井さんの携帯ですか?」

『はい。芹澤様ですね。連絡をお待ちしておりました』

「あの……こないだの答えなんですが……」

『はい……』

「結斗さんと別れることにします」

『……そうですか。旦那様にそうお伝えさせていただきます』

「はい、お願いします」

『旦那様の指示を仰ぎ、また後日連絡を差し上げます。それでは』

たった数秒のやり取りが、とてつもなく長く感じた。そして電話を切った今、心音は落ち着くことを知らない。

今にも泣きそうな心に蓋をして、私はゆっくりと歩き出した。