懐妊一夜~赤ちゃんを宿したら極上御曹司の盲愛が止まりません~

アパートに帰ってからも胸のモヤモヤは消えなくて、気持ちは沈み込んだまま。一定のリズムを刻む時計の秒針の音がやけに耳に響く。

三日後に決断を下さなければいけない。そう思うと胸が張り裂けそうだ。

きっと答えは決まっている。なんの力もメリットもない私には、結斗さんと別れるという選択肢しか残っていない。

私が自分のワガママを突き通したら、結斗さんの妨げになるだけじゃなくて、周りの人を巻き込んで傷つけるかもしれないのだから。

あの結斗さんのお父さんの冷酷な目を見たら、とても自分の気持ちを押し通す気にはなれなかった。思わず、はぁーっと重いため息をつく。

ーープルルルル

と、部屋に携帯の着信音が鳴り響いた。

ディスプレイに目をやれば、そこには結斗さんの名前がある。

込み上げてくるなんとも言えない気持ちに、視界が揺らぐ。このまま電話に出て、結斗さんの声を聞いてしまったら、きっと泣いてしまう。

虚しく鳴り響く着信音を無視し続けて、その日私は電話に出ることはなかった。