懐妊一夜~赤ちゃんを宿したら極上御曹司の盲愛が止まりません~

春日井さんが運転する車の後部座席に乗り、数十分。

彩瀬家の重厚な門をくぐると、目の前に広がるのは、手入れが行き届いた見事な庭園だ。

そしてその先に、和モダンな大きなお屋敷が見えてきた。車を降り春日井さんに促され、玄関に向かえば、温かな木の温もりが感じられる開放的な吹き抜けが広がっており、まるで高級旅館のようで圧倒されてしまう。改めて住む世界が違うのだと突きつけられた。

「それではこちらへどうぞ」

春日井さんのうしろにつき、長い渡り廊下を歩いて、老松と孔雀の絵が描かれた襖の前へと案内された。

「芹澤様をお連れ致しました」

「入りたまえ」

低く重みのある声が中から届いて、春日井さんが襖に手を掛けた。

吐き気をもよおしそうになるくらいに緊張をしている私の目の前に、結斗さんのお父さんの顔が飛び込んできた。

「急に呼び出してすまなかったね」

「いえ……」

「ひとまずそこに座ってくれ」

「はい。失礼します」