声を聞いて。 上

陸は一番のりでBOXにつき
お題の紙を取り広げると
動きが止まってしまった。


留奈「陸どうしたんだろう？」


よく見ると陸の顔が赤い。


留奈「陸ー！！頑張れー！」


陸に聞こえるぐらいの声で
叫ぶと、陸がこちらを向き
私の方向かって走ってきた。



結「陸くんこっち向かってきてるよ？」


すぐに私の前に立つと



陸「留奈きて！」


そう言って私のことを呼ぶと
ひょいって体が持ち上がり
お姫様だっこされるがまま
連れていかれた。


「キャーーーー！！！」


「陸ー！かっこいいぞ！」


周りからの歓声は今日1番だった。



委員の待つ朝礼台に着くと
私を下ろして
陸が紙を委員の人に渡すと
すぐに委員の人は呼び始めた。



「大切な人に愛情表現をしてください！」


それを聞いた私はびっくりして
顔を真っ赤にさせた。

陸の方を見ると
陸も頬が赤い。


「ちゅーかー？？」


周りからは少しからかいの声もあった。
こんなみんなの前で
ちゅーなんて嫌！心の中でそう思った


陸「留奈！」


陸に呼ばれて陸の方を見る。
ちゅーされちゃうのかと
思い、そわそわしていると


陸はその場に膝まづき
私の右手をとり、


陸「留奈！大好きだよ！」


そう言って私の右手の甲にキスをした。