「指スマ3!」

先ず始めに声を上げたのは、本田くんだ。かなり気合いの入った声だったが、立てられた親指の数は5本だった。

「ちくしょう!時計回りで、次、蛍貴な!」
「指スマ7。」

恐る恐る立てられた指の数を確認する。
1、2、3、4、5、6…!!

「うわ〜!蛍貴ビンゴじゃん!まさかの1抜けか!?」

僕は静かに右を下ろした。
非常にまずい。このゲームの罰ゲームは、湖川さんに偽りの告白をすること。僕はそれを絶対に阻止したい。だから、このゲームには何としてでも負けなければならない。
勝負をしている人数は4人。全員両手でゲームを行っているから、指の本数は合計8本。1度の掛け声で、全員が全ての指を上げるとは考えにくい。だから『指スマ8』といえば、かなりの確率で予想を外すことができる。しかし、そんなことをすれば、負けようとしていることがバレてしまうかもしれない。だから僕は敢えて『7』を選択することにした。しかし、運悪く当たってしまったのだ。

「俺、ぜってー罰ゲームとかごめんだわ!くそっ!ここから頑張るしか…!!蛍貴!負けねーからな!!」

本田くんが自分の太ももを自分では殴った。かなり気合いが入っているようだ。