「大丈夫ですか?」

驚いた表情で私を見つめ、そのオーラがどんどんと薄くなって、ピンク色に近づいていくいく。

「君が笑った顔を、初めて見た。」

真島くんと出会ってから、1ヶ月が経過する。その間、私は彼の前で一度も笑わなかったのだろうか。分からない。でも、彼がそういうのなら、きっとそうなのだろう。

「普段も悪くないが、笑った顔は、その…、もっと──」

真島くんが下を向いて、ボソッと何かを呟いた。

「え?何か言いましたか?」
「な、何でもない。」
「でも、今確実に何かを…。」
「う、うるさい。何も言っていない。」

そう言って彼は、机の上に転がったスプーンを持って、再びさくらんぼパフェを口に運んだ。

「早く食べて、とっとと帰るぞ。」

すっかり濃い灰色のオーラに戻った真島くんは、いつものように、ぶっきらぼうな口調でそう言った。

「はい、分かりました。」

彼が何を言おうとしたのかは分からない。でも、きっとそれは優しくて美しい言葉なのだと思う。今はまだ、ぎこちない会話しかできないが、少しずつ関係が作れたら良いと、そう思う。