「で、無色透明のオーラを探してるというのは、どういうことだ?」

僕が聞きたかったことを、真島くんが聞いた。

「無色透明のオーラは、物凄く希少で珍しいオーラだそうです。詳しいことは秘密にしたいのですが、私は無色透明のオーラの人と出会って話がしてみたいのです。」
「理想の相手も無色透明の人だって言ってたよね〜。」
「ちょ、ちょっとももちゃん…!?私、そこまでは言ってないよ…!?」
「俺みたいな無色透明とは正反対な奴がパートナーで悪かったな。」

真島くんが吐き捨てるようにそう言った。

「あっ!!ごめん!!真島くん、私、そういう意味で言ったんじゃないの!!」

桃野さんが慌てて先程の発言を撤回(てっかい)した。
もしかしたら、この子は意外と天然なのかもしれない。

「違います。」

湖川さんが呟くようにそう言った。

「は?」
「真島くんのオーラは濃い灰色ですが、でも、特別ですから。」

特別…。
何だか、とても意味のある発言に思えて、胸が少しだけざわついた。

「特別?どういうことだよ。」
「真島くんのオーラは、たまに変わるんです。確かにオーラというものは安定しておらず、その日の体調や関わる人物によって、濃くなったり薄くなったりなど、多少の変化はあります。しかし、真島くんは、色自体が変わるのです。」
「そうなのか?」
「はい。このようなオーラは、初めて見ました。だから、特別です。」

湖川さんはいつものように、無表情のまま淡々とそう言った。
何故か少しだけ胸が痛む。
真島くんのオーラは特別で、僕のオーラはただの赤。その事実に、とても複雑な気持ちになる。
どうして…。どうしてこんなにもやり切れないような感情が湧き上がってくるのだろう。
分からない。
こんな感情は始めてて、僕は名前も、理由すらも知らないんだ。