「だから、手遅れだって言ったでしょ。」
「なん…だ…これ…。」
「湖川藍との恋人ごっこは、もう終わり。湖川藍が貴方を見捨てるんじゃない。貴方が彼女を見捨てるの。」

そんなわけ…ない。
俺は彼女のことが好きだ。入学した時、腐りきっていた俺と、彼女はパートナーになってくれて、少しだけ変われるような気がしたんだ…。
それなのに、彼女を裏切るなんて、そんなこと──

「っ…。」

影石愛は、動けない俺に対して、何の躊躇いもなく、唇にキスをした。
その瞬間、目の前に暗闇が広がり、睡魔が襲ってきた。
そして、ゆっくりと、黒い世界に飲み込まれていった。