「あはははははははは!ははははは!」

突然、影石愛がお腹を抱えて笑い出した。

「湖川藍が広大の言葉を信じる?まあ、確かにそうかもしれないね。でも、知ってる?」

今度は影石愛が俺との距離を縮める。

「私の計画は何処までも綿密なの。広大がこのタイミングで私の意図に気がついて、湖川藍を説得させようとすることくらい、最初から考えていたわよ。」
「えっ…。」
「広大、貴方はもう、湖川藍に真実を伝えることはできない。」

影石愛が、俺の顔にだんだんと近づいてくる。
分からないけれど、突然身体に力が入らなくなって、俺はその場に座り込んだ。

「どういうことだ…うっ…。」

頭に激痛が走る。息をするのも、少し苦しい。
鼓動が速くなって、その場に倒れた。
立ち上がりたいのに、立ち上がれない。
そんな俺を影石愛は、抱きかかえる。
抵抗しようとするが、全く身体が動かない。ただ息が切れるだけで…。