「ご、ごめん…!」

泣いている私を見て、真島くんは私から離れた。

「冗談キツかった。泣かせるつもりはなかったんだ。怖かったよな。本当にごめん。」

分からない。もう何も、考えられない。
パニックになっている場合ではない。こんな所で泣いてはいけない。それなのに…。

「真島く…っ、ごめん…なさい…。」

好きな人がいるのに、私なんかがパートナーで…。
私のことが嫌いだったことにも気付かないで、いつか、もっと仲良くなれたら…なんて…。馬鹿みたいだ。

「君が謝ることじゃない。今のは俺が100%悪かった。」
「やっぱり、名前で呼ばない…。」
「えっ…?」
「『君』って…。私の名前を呼ばないのは、愛ちゃんが特別だからなんですよね…。私がパートナーでごめんなさい。これからは、真島くんに迷惑をかけませんから…。」

どうして…、どうしてこんなに涙が出るのだろう。

「待て──」
「嫌です。もう貴方に話すことはありません…。」

私はそれだけ言うと、彼を無視して走り出した。
もう、お友達ごっこみたいなことは、やめる…。