「おはよー!さんさん!太陽が今日もサ〜ン!」

入ってきたのは、本田くんだった。

「なんか、大きい声聞こえたんだけど〜、朝から何事──」

本田くんが黒板に目を向け、一瞬だけ固まった。

「おい、何だよこれ…。」
「湖川と佐倉がゲス浮気してたらしいぞ〜。コイツら2人のキスシーンとか、需要ねえし、キモいんだけど!」

本田くんと普段よく話している男子が放った言葉の一つ一つが、心にグサグサと刺さる。
きっと、本田くんにも何かを言われる。本田くんは、佐倉くんの友達なのに…。友情が崩壊してしまったら──

「キモくねーよ!」

本田くんが叫んだ。

「何だよこれ!蛍貴の奴、俺以外の奴とイチャイチャしやがって〜!でもこれ、どうせ合成写真か何かだろ!?蛍貴も湖川も、ゲス浮気なんてする奴じゃねーから!2人とも、良い奴なんだよ!!」

本田くんの声が、教室中…いや、廊下中にまで響き渡る。
そして、その大声につられるように、結城先生が教室に入ってきた。