「文化祭の日、久々に会ったら、まるで別人のように変わってしまっていた。昔は明るかったのに。」

明るかった…?彼女が…?

「何があったのかは知らないけど、藍さんも幸せになったら良いなって思って。だからパートナーである真島くんと、くっつけようとしているんだよ。」

そういうことだったのか…。
彼女を幸せに。そんなことが、俺にできるのだろうか。
彼女は、俺じゃなくて──

「それなら、佐倉の方が、良いんじゃないのか…?」
「佐倉くん?」
「彼の方が、彼女のことを知っているみたいだし。」
「ああ。それでも俺は、真島くんを応援する。」

どうして…。

「俺の前のパートナーは、相性が学年3位だったのに、俺から逃げたんだ。相性が良いのに上手くいかないなんて、そんな悲しい結末は、もう見たくないんだ。だから俺は、真島くんに頑張って欲しい。」

俯きながらそう話す彼を見て、こちらまで少しやり切ない気分になってくる。
水原の為にも、もう少し頑張らなくてはならない。そう思った。