「藍、よく聞いて。」

曾祖母が、とても真剣な表情になった。私も自然と身体に力が入る。

「誰の色にも染まりたくなければ、無色透明のオーラを放つ人を見つけなさい。」
「無色透明のオーラ…?」
「とても珍しい存在だから、そう簡単には見つからない。だが、無色透明は無敵だ。干渉しても、相手を何色にも染めない。だから、藍は藍のままでいることができる。」

無色透明のオーラ。
そんなオーラは1度も見たことがない。無論、オーラが見えるようになってからまだ1年ほどしか経っていないから、確かなことは言えないが。

「それか、自分の同じオーラを放つ相手を見つけることだな。同じ色なら染まらない。」
「同じ色?でも、私は自分のオーラが何色なのか分かりません。」

「ああ、そうだったな。でもその前に、大切なことを言わなくちゃいけない。」
「何ですか?」

私が尋ねると、彼女は少し間を空けてから言った。

「黒いオーラに気をつけて。黒は突然やってくる。」

私にはその意味が分からなかった。

「黒いオーラ…?」
「そうだ。くれぐれも気をつけて。」
「分かりました。」

本当はあまり分かっていなかったが、取り敢えずそう答えた。

「そして、藍、貴方のオーラは──」

その瞬間、辺りが光に包まれ、私の意識は遠のいていった。