「はあ…。」

再び溜息が出る。
今日はこんなもんかな。さすがに広大、怒ってるかぁ。味方につけようと思ってたけど、やめておこうかな。
広大は私を許していないと言ったけど、私だって広大を許していない。
彼のせいで、私の人生は滅茶苦茶にされたんだから。
絶対に、許さない。
そんな気持ちをかかえたまま、男子更衣室を出ると、直ぐ横に広大が立っていた。

「何?もしかして私のこと、待っててくれたの?」
「なわけないだろ。戸締り当番だから先に帰る訳にはいかないんだよ。」
「ふーん。」
「体育館からも早く出ろ。」

1%だけ照れ隠しなのではないかという考えが頭を過ぎったが、広大は、私が体育館を出ると、鍵だけ閉めて、私のことなど見向きもせずに、職員室へと向かっていった。

「そろそろ帰るか。」

これ以上広大に何を言っても、今日は対して結果が変わらないだろうから。
そう思い、私は靴箱へ向かう。

「あーあ。」

もっと面白くなると思ってたのになあ。あー、つまらない。蛍貴も広大も、全然面白くない。もっと私を楽しませてよ。
試しに少しだけ仕掛けてみたけど、これだけじゃさすがに誰もなびかなかったか。
そろそろ次のものを投下するかな。
もう準備はできている。
私の人生を壊した人達に、復讐ができるように、1年かけてじっくり準備したんだから。
楽しみだなあ。