「そう。藍ちゃんがそれでいいなら、私も良いけど…。」

それで良いのだ。全てが丸く収まれば、何も問題は無い。

「あとね、私、影石さんと佐倉くんのことについても気になるの。」

ももちゃんが言った。

「ああ、2人は校内で1番相性の良いパートナーだと発覚したんでしょう?」
「そう。…ごめんね。私、影石さんが、あの“愛ちゃん”だとは知らなくて、何の迷いも無く、佐倉くんとの契約を破棄しちゃった…。」
「ううん、ももちゃんは気にしないで。」
「でも…。」
「本当に大丈夫!それに、新しいパートナーは、奏汰くんなんでしょ?ももちゃんにとっては凄く良い話じゃん。」

私が言うと、ももちゃんは目を見開いた。

「藍ちゃん、もしかして私の気持ち、知ってるの…!?」
「勿論だよ。」

昔からももちゃんは好き嫌い がとても分かり易い。ももちゃんが奏汰くんを見る目は、いつもキラキラしている。

「え〜〜〜!?バレてたの!?恥ずかしい…!」

ももちゃんが両手で顔を覆った。

「隠さなくてもいいのに。」
「だって、藍ちゃん以外に誰かを好きになるなんて、初めての経験で、どうすれば良いのか分からなかったんだもん。」

そんなことを素直に言えるももちゃんはとても可愛い。