中学2年が終わると同時に転校した彼女。
もう一生会いたくないと思っていた、幼馴染みで名前が同じ、影石愛。
黒いオーラをまとった彼女は突然私の前に現れた。
私は彼女が怖い。
そんな彼女が、佐倉くんと校内で1番相性の良いペアになってしまったことが、とてもショックだった。
彼女と佐倉くんは、出会って初日なのに、とても仲が良さそうで、私はつい、私と佐倉くんはただのクラスメイトだと、捨て台詞を吐いてしまった。
本当は、そんなこと、微塵も思っていないのに…。
彼は、私にとって特別で、失いたくない存在だ。それに、文化祭であのようなことがあったのに、ただのクラスメイトだなんて、そんなこと、思えるはずがない。
影石愛は、私から佐倉くんまで奪ってしまうのだろうか。
そう思ったら、2人を見ていることができなくて、私は2人の側から去った。
家に帰りたかったけれど、私は2人に、『真島くんを待っている』という嘘をついてしまったから、素直に帰ることはできなかった。
どうせだから、このまま剣道部の練習が終わるのを待っていようか。
そんな気持ちになる。