「ちょっと待ってよ。私は恋愛感情とかよく分からない。真島くんも佐倉くんもお兄ちゃんも、皆好きだけど、その好きは恋愛感情じゃない。陽芽やももちゃんと同じくらい好き。」
「きゃ〜!藍ちゃんが私のこと好きって言った〜!嬉しい!!」

ももちゃんが私に抱きついた。

「な〜んだ。藍は誰にも気がないのか。」
「気が無いというか…。」
「じゃあ、誰のことが1番気になる??」

気になる人…。
佐倉くんのことは、入学した当初から気になっていた。あのオーラに目を奪われて、話してみたいと思った。
真島くんは、初めて話した時から思っていたが、秘密主義なところがある。きっとまだ私の知らない彼が沢山あるのだと思う。それを知りたいという意味で、とても気になる。
お兄ちゃんに関しても同じだ。私には何でも話してくれているように思えて、意外に謎が多い。何故、高瀬AI研究所附属高等学校に入学したのか。何故3年間一度も帰ってこなかったのか。そして、何故、パートナーとの契約を破棄したのか。

「全員、気になる…かな?」
「藍ってば強欲〜!!」

やはり、全てを知りたいという思うのは、強欲なのだろうか。

「まあ、その3人の中じゃなくても、もし好きな人ができたら教えてよ。私、全力で応援するから!」
「私も!佐倉くんが好きになったらいつでも言って!キューピットになっちゃうから!楽しそ〜う!」

そんなことを言っているが、自分のパートナーが他の女子と付き合うことに抵抗は無いのだろうか。

「ありがとう。」

2人の期待に応えられるかは分からないが、もしその時が来たら、真っ先に2人に相談をしようと心に決めた。