「ストップ!ストップ!」

部長の声が聞こえ、私は目を開けて、起き上がった。

「湖川さん、ずっと眠ってたら、話が進まないよ。」
「あ、ごめんなさい…!」

もしかしたら、キスされるのかもしれないと思ったら、動揺してしまって、いつ目を開ければ良いのか分からなくなってしまった。

「大丈夫。それはそれで面白かったから。あと、もう1つ気になったんだけど、今日の2人、何かあった?」
「えっ…?」
「なんだかお互いにぎこちなかったよ。」

さすが、演劇部の部長というだけある。演技を見ただけで、そんなことまで分かってしまうなんて。

「あの、私達──」
「何もありません。大丈夫です。練習を続けましょう。」

真島くんが、私の言葉を遮った。