そうだ。
高校生になって、私は沢山の仲間に囲まれていた。久しぶりに、毎日が楽しいと思えていた。
皆、私に優しくしてくれた。
それなのに私は…、
『お兄ちゃんも真島くんも佐倉くんも、皆、私のことが嫌いなら、私に優しくしないでよ!』
なんて、そんな酷いことを言ってしまっまた…。

「私…、最低だ…。」
「いいや、誰にでも間違いというものはある。」
「でも…。」
「きちんと謝れば良いんだよ。きっと許してくれる。藍だって、佐倉くんがそれくらい優しいことを、知っているでしょう?」

確かに、知っている。彼はとても優しい。先程起きた出来事も、佐倉くんがいたから、私は平常心を取り戻すことができた。

「それにしても、あの子のオーラは興味深いね。」
「ひいおばあさんも、そう思いますか?」
「ああ。見たことがない。まさか、本当に存在していたなんて。」
「私も驚きました。」
「きっとあのオーラは生まれつきだよ。」

やはり、生まれつきだったのか。

「それと正反対なのが、真島くんだ。」
「真島くんが正反対とは、どういうことですか?」

佐倉くんと真島くんではオーラの色が全く違うが、どちらも他の例を見たことがない。特別なオーラだ。

「彼のオーラはね、後天的なものなんだ。」
「後天的…?」
「そうだ。」

ということは、元々のオーラは濃い灰色ではないということだろうか。

「彼には色々、事情がありそうだね。おそらく、彼の本当のオーラの色が、私には分かる。」
「何色ですか?」
「それは言えない。でもきっと、藍にもその色が分かる日が来るさ。」

出会ってもうすぐ半年が経つけれど、彼の本当のオーラなどというものが、全く検討もつかない。それなのに、分かる日が本当に来るのか疑問だ。そもそも、彼のオーラが後天的だということさえ知らなかった。