AIが決めた恋

「っ……！！」

まずい、僕の隣には、湖川さんのパートナーである真島くんが座っているのに…。
そう思って、どうしようか一瞬だけ考えたが、直ぐに真島くんは、僕達に気がついた。

「あ、あの、これは…、えっと、ごめん…。」
「何で謝るんだ？」
「だって、湖川さんは真島くんのパートナーだから…。」
「それなら、お互い様だ。ほら。」

真島くんが、僕とは反対側を自分の肩を指さした。
見ると、桃野さんが真島くんに寄りかかって眠っていた。

「あ、本当だ。」
「だから、気にしなくていい。そんなことより、君と少し話がしたいと思っていたんだ。」

そういえば、お化け屋敷に入る前、真島くんからペアにならないかと誘われた。
もしかしたら、その時から僕に話したいことがあったのかもしれない。

「話って？」
「何でもいい。」
「え？」
「俺は君ともう少し仲良くなりたいんだ。」

『仲良くなりたい。』そんなこと、生まれて初めて言われたかもしれない。
元々、僕は友達が少ない方だ。
小学校時代は、毎日のように習い事があり、中学時代は、勉強をサボることを許されていなかった為、学校以外で友達と遊ぶ機会はほとんどなかった。特別仲良くしていた人といえば、本田くんくらいだ。