しかし、そう気がついてしまってからが大変だった。
僕と藍は従妹だ。従妹を可愛く思う気持ちは、普通でも、従妹に恋愛感情を抱くのは、普通じゃない。
親戚同士の集まりがある度に、僕は罪悪感を感じた。藍を見るのも辛くなって、一緒にいる時間が次第に短くなっていった。
この気持ちを諦めることができないまま、時間だけが過ぎていく。
その間も、僕は何人かの女子から告白された。でも、誰とも付き合う気は無く、全員フッてしまった。本当は、何度も付き合おうとしたけれど、好きでないまま付き合ったところで、相手に失礼だと思ったから、付き合えなかった。そして、そんな自分が嫌だった。
そんな風に頭を悩ませていたある日、僕は高校について調べていると、『高瀬AI研究所附属高等学校』という高校を見つけた。
その高校では、自分と相性が最高であるパートナーを割り出してくれるらしい。
『誰かと付き合ってしまったら、藍を思う気持ちを、消し去ることができるかもしれない。』
と思っていた僕には、好都合であった。
そろそろ僕も、藍から離れなければいけないと思っていた。この気持ちを封じ込める為に。
それから直ぐに、僕はその高校の入学試験を受けることに決めた。
ラッキーなことに、受験者の中に、僕との相性の良さが上位150位までに入る人がいたらしく、入学を認められた。
僕は高校の近く寮で生活することにした。これも、藍への気持ちを忘れる為だ。
そして、高校3年間、僕は1度も地元へ戻ることはなかった。