「藍ちゃん!誰だった!?」
「真島広大…さんっていう人らしい。」
「聞いたことないね。別のクラスかな?」
「多分。ももちゃんは?」
「私は佐倉くんだってさ。同じクラスの、佐倉蛍貴くん。」

ももちゃんがスマホの画面を私に見せながらそう言った。
佐倉蛍貴。画面にははっきりとそう書かれている。
胸が少しだけざわついた。

「まあ、正直パートナーに興味はないんだけどね。」

ももちゃんは、つまらなそうに溜息をついた。

「そうなの?」
「うん!だって、また藍ちゃんと同じ学校に通いたかったからここに来たんだもん!」
「そうだったの?」
「勿論!」

素直に嬉しい。小学生の頃からずっと友達でいてくれたのは、ももちゃんだけだ。

「ありがとう。」
「いえいえ〜。」

ももちゃんが微笑む。やはり昔からももちゃんは笑顔がとても素敵だ。小柄でサラサラストレートのボブくらいの髪の毛。その上とても上品な顔立ちで、女の子らしい。
一方、私は身長は普通で、髪は一応伸ばしているが、少し癖毛気味。双子の妹は物凄い美少女なのに、私は全然可愛くない。鏡を見る度、溜息をつく日々。同じ人間なのに、どうしてこうも違うのだろう。私も可愛く産まれたかった。そうすれば──