僕はそれを受け取り、中身を確認する。
国語、数学、化学、物理、生物、世界史、現代社会、英語。
28点、19点、8点、6点、23点、29点、12点、20点。

「これは酷いね。」

まさか31点以上が1つも無いなんて。

「ストレートに言うなよ〜!お陽芽に合わせる顔が無いよ!なあ、俺はどうしたらいいんだ!?」
「どうするって…、陽芽さんに正直に話すしかないんじゃない?」
「そんな〜!」

本田くんがその場で大袈裟に崩れ落ちる。
そこまで落ち込むなら、テスト前にしっかりと勉強しておけばいいのに。

「なんとか誤魔化す方法は無いのか──」

突然本田くんが固まった。
教室の入口を凝視している。彼の視線の方を見てみると、

「あ、懸くんいたー!話があるの。」

陽芽さんが立っていた。

「は、話って何のことだ〜?」

本田くんは陽芽さんに近寄ろうとせず、今いる位置から返事をした。
代わりに陽芽さんが、「失礼します。」と言って、教室へと入ってきた。