「皆、もう直ぐ暗くなりそうだし、そろそろ今日は終わりにしない?」

ノートパソコンを眺めて大学の課題をしていたお兄ちゃんが、パソコンを閉じて言った。

「ふおぉおおおぉぉ!やっと帰れる〜!!」

本田くんがその場でガッツポーズをした。

「懸くんも今日はよく頑張ったよ。」
「お陽芽、優しい…。」
「で〜も〜、勉強会は終わったけど、テストの日まで、1日足りとも、サボっちゃ駄目だからね!」

陽芽が笑顔を浮かべたまま、本田くんを責めた。

「うぅ…、怖いのか可愛いのか分からん…!」

きっと、本田くんが何も言い返せなくなるような相手は、陽芽だけだ。そう考えると、やはり2人は相性が良いのだろう。パートナーに選ばれたのにも納得だ。
では、私と真島くんは…?パートナーとして選ばれたということは、相性が良いのだろうか。正直、よく分からない。

「藍!藍は僕が家まで送って行くからね。」

お兄ちゃんがそう言った。

「ありがとう。でも、いいの?」
「当たり前だよ!夜道は危険だか──」
「すみません。彼女は俺が送って行きます。」

突然、真島くんがそう言い出して、ドキッとした。
いつもだったら、絶対にこんなことは言わない。顔合わせ以外は、私に干渉してこないはずなのに。