「何があったの?」
桃「…、」
「話したくない?」

コクっと頷く大地を見て、傷が疼かないように、優しく抱きしめた。

「私は、大地のために何ができる?」
桃「…、」
「いつも私に笑顔をくれて、パワーをくれて、トレーニングや攻撃の方法も教えてくれて。
でも私は大地に何をしてあげられる?」
桃「…、」

抱きしめていて、顔が隠れているから表情は見えなかったが、大地は鼻を啜っていた。

「別に辛いことは無理に話さなくていい。
何があったか聞きたいわけじゃないの。
ただ、私は大地のために何をしてあげられる?」
桃「…天咲、」

その声にはしっかり涙が混じっていた。
明るくていつも笑っている大地の涙を見るのは初めてだった。
手繰り寄せるように私を抱きしめて、ひとしきり涙を流した大地。
私はふわふわな彼の髪の毛を優しく撫でていた。

桃「何もいらない」
「ん?」
桃「何もいらない。
でも、天咲は俺の傍から離れないで」
「離れないよ、だから大地も何があっても私を信じて」
桃「うん」

大地は優しいから、それ以上何も言わなかった。




でもごめんね、









気づいてたよ、