Sora Side

あのCLUBの、一件があって、9人はより一層過保護になった。
大学側に留学生募集のチラシ、Webサイトと申請書をつくり、
私は3ヶ月留学へ行くふりをして大学を休んだ。
あまり外に出して貰えなかったけど、
健斗に射撃を教えてもらったり、
夜に直樹と大地とトレーニングをするのは怠らなかった。

ある日の夜、ご飯を食べ終わり、
直樹からトレーニングに誘われたので、大地を呼びに部屋へ行った。

「大地ー、あれ?いない」

リビングに行っても、みんな自室へ戻ってしまって誰もいない。
どこ行ったんだろう、そう言ってキョロキョロしていると、玄関が開いた。

「大地、おかえ…」
桃「天咲…、」
「どうしたの?なにその怪我!?」

大地の体はボロボロだった。
私は救急箱を持ってきて、急いで手当をした。
口が切れて血が出てきている。
大地の綺麗な顔が、少し赤く染まっている。

「痛いかも、ごめんね」
桃「…ん、」
「ん、口は大丈夫。体は?」
桃「血は出てないけど、少し殴られて痛いかも」
「じゃあ、氷あてて冷やそう。はい、これ」
桃「ありがとう」

いつも笑ってる大地が、しゅんとした苦しい顔をしている。
私が殴られた訳でもないのに、なんだか私の胸まで締め付けられる。