橙「よかった。今度は大丈夫?って天咲に駆け寄れて」
「薬嗅がされて、ひとりじゃ太刀打ちできなかった」
橙「天咲が時計を集音モードにしてくれたおかげやで。
よくその判断ができたな、えらいえらい」

さっきとは別人かのように、優しい直樹が頭を撫でてくれる。

「みんなに迷惑かけてごめんって言わなきゃ」
橙「よし、ほな着替えに行こか」

そう言って、再び部屋を目指す。
私は確信した。
あの時助けてくれたのは、紛れもなくこの人だと。