足にアンクレットが巻かれた。
そして龍斗が私の髪を整え、メイクを直してくれる。

「ありがとう龍斗」
青「ん、綺麗だよ天咲」
「…、」
青「何照れてんの、笑」

龍斗にお礼を言って、スタジオへ入る。

桃「俺天咲の隣ー!」
「ふふ、はいはい」

大地の隣へ並ぶ。
何やら紫ノ宮さんがカメラマンさんと打ち合わせしてるみたいで、みんなは各々で話してる。

「ねえ大地」
桃「ん?」
「私水色だって」
桃「ああ、みんなで話し合ったんだよ」
「みんなで?」
桃「健斗に許しを貰った日に、こっそりな」
「そうだったんだ」
桃「アンクレット見せて」

そう言って、跪く大地。
…なんだか外国のプロポーズみたいな光景で恥ずかしい。
私はスーツの裾をたくしあげて、ギブソンブーツの上にかかったアンクレットを見せる。

桃「ふふ、綺麗だよ天咲」

さっきの龍斗とは違い、私を見上げて微笑みながら言う大地。
初めて色のことを教えてくれたのも、アンクレットを付ける理由を教えてくれたのも彼だった。
あの切なそうな寂しそうな大地の顔は、今も昨日の事のように覚えてる。

「私も何かあった時のために、ずっと付けてるね」
桃「大切にな」
〈はい、じゃあ撮りますよー!〉

各々ポケットに手を突っ込んだり、シャツに手を当てたり、とても普通の家族写真とは違う感じだが。
決して正当な道ではないけれど、自分たちのスタイルを崩さない。
そんな彼らに心底憧れている自分がいて。