いつも優しいめで私を見て、優しい声で私に話しかけてくれる健斗。

さっきだって
……………………

「話って、いつする?」
赤「わかってると思うけど、俺は途中で抜けちゃったから、天咲の気持ち改めて聞かせて欲しいから、
少し遅くなっちゃうけど、みんなが寝る頃とかでもいい?」
「わかった」
赤「じゃあ12時にリビング来て」
「うん」

そう言って、私の頭をポンポンと撫でて、
リビングを後にした。

……………………

なのに今は、クスリとも笑わずに冷たい目でこちらを見る健斗がいる。

もちろん、銃は下ろさず私の頭を捉えたまま。
…こわい。紫ノ宮さんのがまだ、トラウマになっているのか。
足が少しすくむ。でも負けちゃだめ。

「話って、これ?」
赤「そう、騒いじゃダメだよ。みんな起きちゃうから」
「騒ぐつもりない。健斗だもん」
赤「そうやって人を信じすぎるのは良くないよ」

口調はいつも通り柔らかいのに、声のトーンは低く冷たい。
仕事をしている時の健斗は、きっとこんな感じなんだろう。

赤「さあ、聞かせて?天咲の話」

…落ち着け、今までの知識を応用すればいい。
まずは交渉するにあたって相手の要求に答える。
銃を下ろさぬままの健斗に、私はあの時の話を全部した。

赤「それが天咲の考え?」
「そう、私の考え。
私も健斗の考えが知りたい。
話したくないなら無理に話さなくていいけど、聞かせて欲しい」