『おらぁ…!』

パシッドサッ

暗くて顔はよく見えなかったが、高く蹴りあげた足が襲ってきた男にヒットし、勢いよく倒れた。

《お前、まさか…》
『まだまだ手加減してんで。
本気出したら、俺の身一つでお前ら2人簡単に殺れるけど、このまま続けるか?』
〈…行くぞ、〉

襲ってきた2人の男は、この強い男の人を、避けるようにして逃げていった。
そして少し訛りのある口調の男の人も、立ち去ろうとした。

「あの、あなたは…」
『…怪我、お大事にな』
「待って、!」

そう言い残して去って行った。
あの人は誰だったのか分からないままだったし、お礼も言えなかった。
…でも、近くに襲ってきた男のものと思われるペンが落ちていた。

「…プロープル社?」

プロープル社よる、父と母への牽制だった。

家に帰って父と母に、怪我を酷く心配された。

「…知らない男2人に、襲われそうになって、
でも、関西弁のお兄さんが助けてくれて」
父「警察だ、とりあえず警察に連絡を」
母「その男2人は、どんな人だったの?」
「多分なんだけど、これ犯人の持ち物かなって…」

さっき拾い上げたペンを渡す。
すると2人は血の気が引いたような顔をした。
プロープル社、そう書かれたペンを持ち、2人は絶望した。
母は泣き、父はその母の手をとり、私にプロープル社の秘密を全部話してくれた。