Sora Side

お父さんとお母さんは、いつも私にこう言った。

父「いいか天咲、どんな事があっても自分に正直にいなきゃダメだぞ」
母「他人が見てないと思っていても、自分に嘘はつけないのよ」

自分に嘘はつくな、
簡単なように思えて、なかなか容易ではないことを教えとする2人は、
真っ直ぐな薬剤の研究者だった。

2人は同じ研究所に勤めており、ある日、仕事で手を結んでいたプロープル社の薬の調合が、危険な毒物を作るためのものだと知った。

その調合薬の開発を今すぐにやめるべきだと、父と母は説得しに行った。
けれど、プロープル社の社長は[このことが世間にバレればお前の研究所を潰してやる]
と脅されたのだ。
そのため父と母は、調合薬を見て見ぬふりをしていた。

そんなことを知らなかった私は、いつも通り学校からの帰り道で、何者かに襲われた。

ガシッ
「んっ!!!」
〈おい、抵抗すんじゃねぇよ〉
《お、結構可愛い顔してんじゃん。
大丈夫、大人しくしてたら痛くねぇよ》

2人がかりで人通りの少ない路地裏に連れ込まれた。
必死で抵抗しようと、男を蹴りとばした。

《いった!てめぇ何すんだよ》
「離せよ」
〈大人しくしてたら痛くねぇって言ったのに〉

そう言った男が私を突き飛ばした。

〈せいぜい親を恨むんだな、!〉

そして私の胸ぐらを掴み、殴りかかろうとした瞬間。