「到着、」
天咲「ねぇ、拓実」
「ん?」
天咲「…今日ここで寝てって言ったら、引く?」
「どした、怖い?」
天咲「ん、」

少し潤んだ天咲の顔を見て、放っておけるやつなどいないだろう。
さっきは後ろからだったけど、今度は前から抱きしめて、背中をトントンした。
静かに涙を流す天咲。

「大丈夫。俺はここにいるよ」
天咲「…拓実のパーカー着ながら作業してたから、拓実に包まれてる感じがしてたの。
そしたら拓実に、こんなこともうやめときなって言われてるような気がして…」
「うん、」
天咲「だから本当に拓実が止めに来てくれた時、
すごくホッとした。…ありがとう」
「ううん。手首、ごめんな」
天咲「大丈夫、腫れてないよ」
「でも一応湿布貼っとこ」

天咲の手首に湿布を貼り、ベッドに横たわる。

「大丈夫?」
天咲「拓実は、銃口向けられたことある?」
「…あるよ。後ろにもう1人敵がいることに気づかずに、背中蹴られて。
倒れて後ろ見たら頭に銃を向けられてた。
そいつの背後に回り込んだ直樹が助けてくれなかったら、俺は天咲と出会ってなかった」

まじで直樹ありがとだわ、とおどけて見せた。