Takumi Side

緊張が解けたからか、天咲の足に力が入っていない。

黄「おい、黒沢いつまで抱きしめてんだよ」
「いや、俺が離したらたぶんこいつ立ってられないよ?」
天咲「…、」

見れば子鹿のように震えている足。

紫「…ごめん天咲、悪かった」
天咲「…私こそ、紫ノ宮さんに銃なんて向けてごめん」
紫「いや、俺のが先に向けちゃったし」
黄「…今日のところは一旦寝よう。
明日、9人の前でお前が知ってることとやろうとしてたことを教えて」

天咲は小さく頷く。
そうして、黄野くんが帰っていった。

紫「天咲、大丈夫?」
「俺が部屋連れてくよ」
紫「…そうか、ありがとう」
天咲「紫ノ宮さん」
紫「…ん?」
天咲「今日、学校来てくれたのわざとなんでしょ?
健斗のおつかいなんて本当はどうでも良くて、あの黒い車の心配してくれたんでしょ?」
紫「…これだけは忘れないで。
天咲の命を狙うやつを殺る覚悟は出来てるから。
それくらい、天咲のこと大切に思ってるからね」
天咲「…ありがとう、おやすみ」
紫「おやすみ、」

そう言って部屋を後にした。
俺は、天咲を抱っこして天咲の部屋へ連れてった。