天咲「あの子はすごいよ、私なんかよりもずっと大人で、ずっと強い」
「賢いよ、篤志は」
天咲「それでいてかわいい」
「なんなんだろうな笑」

弟のように可愛がっている篤志が1歩踏み出すことが出来て良かった。
そしてなにより、天咲が篤志のことを分かってくれって良かった。

天咲「…みんなのことも聞いた」
「俺達の?」
天咲「なんて言うか、簡単そうなお仕事じゃないみたいだね」

…あいつ、言ったのか。
すると、そうじゃないと言うかのように天咲は続けた。

天咲「気づいてたんだ、実は。篤志には私がもう気づいてるってこと、悟られちゃったの。それで合ってるよって言われたから、私の予想は間違ってなかった」

この子も、俺らが思うよりずっと鋭い子だった。

「怖くないの?俺らといて」
天咲「なんで怖いと思うの?」
「だって俺らは…」

人を殺すことが、仕事なのに。

天咲「拓実は人を育てるのが上手」
「え?」
天咲「相手の為に、1歩引いて見守るの。そんな優しさがある」

…なんか急に褒められた。