Sora Side

少しずつではあるものの、ここの生活に慣れてきた頃。
みんなともコミュニケーションが取れるようになってきた。
ある夜、リビングに行くと、篤志がソファで資料を眺めていた。

「あれ?みんなは?」
白「ちょっとお仕事行った」
「ふぅん」

夜遅いのに大変だな。
すると、少し不安そうな面持ちで篤志が尋ねる。

白「天咲ちゃんはさ、俺たちのことどれくらい知ってるの?」
「どれくらいって?」
白「今、みんながどんなお仕事してるかとか」

たしかに、詳しくは聞いたことがない。
CLUBで生活していけるほどの収入もないだろうし。
言われてみれば、彼らのこと全然…

「知らない」
白「そっか…」
少し残念な表情の篤志。

…いや、本当はどこかで否定したい気持ちがあるだけで、
彼らの職業に気づいているんだ。
これまでの彼らの行動や正装、
そして私が彼らによって連れ出された理由と、
流星が言った言葉。

全部全部、あの職業だと仮定すると、辻褄が合うんだ。

白「ねぇ、」
「ん?」
白「本当は知ってるんでしょ?」

…この子何者?

白「僕ね、人の考えてることを感じとれる特殊能力があるの。
誰にも信じてもらえなくて、幼稚園でも親にも怖がられた。
悲しいよね、親くらいは信じてくれたっていいのに(笑)」