《ふは、君は本当に可愛いね。そんなに死ぬ事が怖いかい？
大丈夫、君が直ぐにチップを渡してくれれば痛い思いもさせないし、私が君の面倒を見るよ》
「…それが、チップがあるのは…」
あの家の私のスーツのポケットの中だと言った。
本当はまだ胸に入ってる。でも、私は勝手にあの9人を巻き込んだ脱出作戦を考えていた。
すると男は私の顔から手を離し、距離を置いた。
さっきまでニタニタと笑っていたのに、急に冷たい顔をして、声も低くなった。
《…しょうがないか、手下に行かせるから場所を教えろ》
「ダメ、あの人たちはプロの殺し屋よ？
私は関わってないからわかんないけど、家にもきっとすごい仕掛けがあるはず…
手下の方々が亡くなってしまっては意味が無いじゃない」
《じゃあ痛い思いをするのか？》
「違う…一つだけいい案がある」
断られるのを承知で提示した、私が家へ帰るという計画。
裏切ったことをみんなに伝え、改めてこちら側の強さを示せるというメリットも一緒に提示する。
「彼らの唯一の弱みは私。絶対に狙ってなんて来ない」
《信じられん。誰がお前のことなんか…》
「でもこのままじゃチップが、！」
《君が覚悟を決めればそれでいいんだよ…》
再び私に近づき、首に手をかける。
少しずつ力が強くなっていく気がする。
「………お願い、怖いの、！死ぬのも、痛くされるのも…。
嫌だ、殺さないで……。
死にたく、ない………………！！」
《その目唆るねぇ、、、！興奮するよ。
じゃあ君の条件は飲んでやる。ただし計画は1週間後だ。
それまでお前に見張りをつけ、何か不穏な動きがあったら直ぐに作戦を中断する》
「…ありがとう、ございます」
《物分りのいいお嬢ちゃんだ》
そう言って、頬にキスをして出ていった。
…今は耐えろ。とにかく耐え抜く。
ここを出てみんなとまた、幸せに暮らすために。
そしてなにより、
