あたしを撫でる、君の手が好き。



「富谷とそんだけ撮ってれば充分じゃん?」

あたしを軽く振り向いたあっくんは、微妙に口端を引き上げて渇いた声で笑った。

あたしを拒絶するような冷たいあっくんの笑い方に、指先から身体が冷えていく。

あっくんがあたしにここまで冷たい表情を見せることはあまりない。それなのに、今は何かに怒っているみたいだ。

さっきまで、普通に笑ってくれていたはずなのに。あたし、この短時間に何かしたっけ。

頭をフル回転させて考えてみるけど、何がよくなかったのか全然わからない。


「俺、もう行くわ。シロも早く着替えてくれば?」

「でも……」

まだ、あっくんと写真撮れてない……

縋るような目をするあたしを、あっくんが冷たい目で見下ろす。